
夏の畑仕事は雑草との闘い…
6月にジャガイモ掘りを終えて、土を休ませた後、 2週間ほど空けて、ニンジンの種まき。
庭の花々も、夏の顔ぶれになってきました。
7月8月は、畑も庭も雑草が伸び盛り。 週1回の草むしりでは、とても追いつきません。
蚊に刺されながら、土にまみれながら、 今年も大量に汗をかく季節です。
そんな野良仕事のお伴に聴くBGMは、やっぱりBuena Vista Social Club
私はヴィム・ヴェンダース監督の映画 『Buena Vista Social Club』が大好きで、続編の『アディオス』も観ました。
彼らの音楽は、陽気です。でも、映画を観ると気付きます。
その陽気なメロディの奥には、労働の辛さや、 革命の時代に翻弄された人生が流れていることを。
キューバ音楽のソンは、そもそも、 奴隷としてアフリカから連れてこられた人々の音楽から生まれたものです。悲しみを知っている音楽なのに、どこまでも明るい。
映画がドキュメントした彼らの人生もまた然り。
私が世界一のピアノ奏者だと思っているルベーン・ゴンサレスは、自分のピアノが白アリに食われて、音が出なくなってしまっていたし、
イブライム・フェレールは、優れた歌手なのに日の目を見ず、老齢まで靴磨きをして暮らしていました。
陽気に聴こえる彼らの音楽の奥(特にイブライムの声)には深い悲しみがあり、
それでも、実に楽しそうに生き生きとした音楽を奏でている。
そんな人たちが、老年になってようやく世界の大舞台に立つ。『Buena Vista Social Club』は心を強く揺さぶるドキュメンタリー映画です。
彼らは、辛い環境を、陽気な音楽で乗り越えてきた、 誰よりも強い人たちです。
だから私は、敬意を込めて、 夏の畑でこの音楽を聴いています。
アルバムに、「El Carretero(エル・カレテロ)」という歌があります。
カレテロとは「荷車引き」のこと。 機械化される前のキューバで、刈り取ったサトウキビを 牛車で運んでいた人たちのことだそうです。
その歌の中で、繰り返し歌われるフレーズとサビにいつも心惹かれます。
「馬に乗って山へ行く♪馬に乗って山へ行く♪
わたしは歌い、休みなく働く♪いつか結婚するため♪ それが叶えば、わたしは幸せな農夫であり荷馬車ひき♪」——そんな意味の言葉です。
私はいつも、この歌を聴きながら想像します。
大量の汗を流しながら、 「わたしは歌い、休みなく働く♪いつか結婚するため♪ それが叶えば、わたしは幸せな農夫であり荷馬車ひき♪」と口ずさんで、 畑仕事に精を出す人たちの姿を。
そしてその情景は、どこか、遠い記憶の中の祖父の姿に重なります。
大型の農機具がまだなかった時代から一所懸命に田畑を耕して、作物を育てていた祖父。
春から秋は日の出前の薄暗い時間帯から働き、真冬の農作業がない時期は馬をひいて荷運びの仕事をしていた祖父。
土地とともに、実直に懸命に生きる人の素朴な喜びの気持ちーーー
いつかお嫁さんがやってくる幸せな日を想像して、汗を流して土を耕すことは、 おじいちゃんの時代でもキューバでも、変わらないのかもしれません。
……あぁ、モヒートが飲みたい!!!
汗をかいたあとの一杯を楽しみに、 若いころの祖父を偲びながら今日も畑に出ています。
皆さんの夏しごとのお伴は、何ですか?



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